2014年4月23日水曜日

歴史は繰り返す

韓国南西部珍島(チンド)沖で沈没した旅客船「セウォル号」の事故原因は、急旋回したことで過積載の積み荷が荷崩れし、転覆に至ったとの見方が有力だ.しかしこの海域では宋・元時代の貿易船沈没事故などがあり、当時の日本に運ばれる商品が沢山発見された場所である。1975年に全羅南道新安道徳沖海底より、中国の宋・元代の陶磁器が地元漁師のえび網から偶然に引き揚げられた。1976年に、韓国海軍潜水チームの協力を得て調査したところ、大量の陶磁器を積んだ船が発見された。その後の発掘調査で船荷の中から日本の「東福寺」の木簡が発見され、当沈船が14世紀はじめに、中国の寧波、高麗、日本の博多の三国間を航路とする中国元代の貿易船であると推定された。高麗青磁を含む何万点もの学術的に価値の高い陶磁器類などの引き揚げにより、一躍世界の脚光をあびることになったのは周知のとおりである。1983~1984年に、同じ韓国南西部の莞島海域で今度は朝鮮の伝統的建造方法を使った貿易船が出土した。この貿易船は、海南地方窯産の30,000点以上におよぶ青磁から11世紀中・後半頃活躍した船と推定され、この船が古来より朝鮮に伝わる伝統的な造船技術、船体構造を知る上で極めて重要な発見となった。潮流が早く回避すべき暗礁などが多い危険な場所だったことは昔からだったらしい。

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